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消防団員与太噺

其の三
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逝く人・・・
あほの子の父が逝きました
その少し前に友が二人逝きました
又その少し前に近所の親父達が二人逝きました
二十歳になる少し前、友が雪に飲まれ逝きました
その少し前、向かいのおばぁちゃまが
目の前で車の下敷きになり逝きました



大往生という言葉を聞きます
一体どんな人が出来るのでしょう
どれだけ善い事をすれば出来るのでしょう
あほの子は思います
“一日一善じゃダメなんだろうな・・”


では納得の行く逝き方はどうだろうか
歌の歌詞ではないけれど(古いな・・)
好い人生だったと思って逝ける人は
どんな時間を過ごしてきた人なのだろうか



あほの子の父は、“死にたくない”と言いました
救急車で運ばれた時、“俺はもうだめだ”と
あほの子の前でぼろぼろ涙を流しました

友の一人は新聞に自分の逝く様を残しました
“決して納得して逝くのではない”と



雪に飲まれた友は如何だったのだろう
あほの子の友にはやはりあほがおりました
“山で死んでゆくなんてかっこ良いじゃん”

あほの子には“逝きたくないっ”と
叫ぶ友の声がひびきます
父の声がひびきます





この声が小さくなる事はあるのでしょうか・・・