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消防団員与太噺

其の五
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夏の日・・

最後の力を振り絞って
セミが鳴いています
僅かな力も使い切って
下に落ちて来ます





それでも セミは
仰向けから戻る力も無いのに
近づくあほの子の指にしがみついて来ます
最後の力を振り絞るその行動には
どんな思いが有るのでしょうか 


あほの子は考えました
焼けたアスファルトの上から
せめて草と土の上にセミを戻してあげたい
しかしセミは草の上に降りようとしません
あほの子の腕をつたって
まだ更に上に行こうと歩きます
僅かな力で しがみつきながら
上を見て歩きます



全ての生きるものは
最後まで 自分のすべき事を忘れないのでしょうか
何も残らないと思いつつも


それとも最後には
必ずそれは 無駄な事ではないのだと
わかるのでしょうか